2017/07/20
(開発こぼれ話)
毎回思うんですが、夏場にマスターアップを迎えるのは、いろいろと問題多いですね。今これを書いているそばから、そとでカミナリがドンガラ鳴っていて、電気が落ちたらどうしようとドキドキしています。
今回のお仕事で言うと、ROMが出来上がったらセガさんに届けるわけなんですが、まあたいがい夜中にROMを焼いて朝一番に持ち込むんですよ。で、バイク便さんを頼めばいいんですが、ROMが全部焼きあがってから、バイクさん呼んでると時間がもったいないんです。都内だったすぐ来てくれるんでしょうけど、なにぶんさいたま市ですから…。仕方が無いので、焼けたてのまだ暖かいROMをむんずとつかんで電車に飛び乗ります。もともと大宮ソフトを立ち上げたのは”通勤電車に乗りたくないから”という極めて個人的な理由もあったのですが、そんなこといってられません。汗まみれになってお父さん達の海にダイブです。アサイチで行こうとすると、ちょうどラッシュアワーまっさかりなんです。んで、電車をおりてセガに出勤する社員の皆さんの大河に身を任せて激流くだりみたいな状態でやっとたどり着くわけです。汗まみれというより汗の塊みたいな男が、東証一部上場の堂々たる玄関に転がり込んでいって、はーはーとイキを切らして受付のおねいさんに、”大宮ソフトですが~”と叫ぶわけですから、警備員さんにつまみだされても文句は言えません。
無事ROMをお渡しして表に出て、空を見上げ、再度太陽光線に晒されたりすると、なんだかものすごい大事業を成し遂げたようなヴァーチャルな充実感と、今俺はどこにいて何をしているのだろうという見当識失調が同時に襲ってきていい具合にトリップできたりもします。
ゲーム開発というのは、いわゆる開発者に限らず、非常に多くの人の血と汗によって支えられているわけですが、中にはこんな汗もあるということで…(笑)