2017/07/20
ニンテンドー3DS版「カルドセプト」。いよいよ今週発売です!
まあ、このデザイナーズノートを読んでくださるような皆さんには、言うまでもないこととは思いますが…。
よろしくお願いいたします。
さて、本題です…
カルドセプトは、対人対戦が楽しい。
…なんてことを、10年来言い続けてきました。
当時は、「自分のデッキ(ブック)を持ち寄って対戦」というタイプのデジタルゲームは珍しかったように思うので、セールスポイントではあったんですね。
しかし、昨今では、むき身の「対戦」よりも、友人同士での「協力」を楽しむ人の方が多いのではないか、と思っています。
対戦は、勝つ者が出れば負ける者も出る。玄人好みな感じ。
協力は勝つも負けるも一緒で、よりカジュアルな感じがします。
それで、カルドセプトも今回、「協力戦」というのをフィーチャーしたりしてます。
(「協力戦」の詳細は、またいずれ。)
味方同士が協力するルール自体は、今までのカルドセプトにもありました。
それが「同盟」です。
しかし、今までの同盟では、総魔力(得点)を共有するとか、同盟者間では通行料を取られないなどの最低限の特別ルールはありましたが、基本的にはソロプレイの延長で、プレイ感覚は「各々のプレイの合算」という程度にしかなっていませんでした。
しかも、味方同士も敵と扱いがほぼ同じなので、味方の領地に攻め込むなんてこともできてしまいました(それを応用したテクニックもあったりはしましたが)。
「協力」と言うには、もっと、相手と「苦楽を共にする」感覚が欲しい。
ということで今回、同盟ルール自体を大幅に改定しました。
新同盟ルール
新しい同盟の主なルールは…
- 同盟者同士の総魔力の合算で勝負が決まる
- 同盟者の領地では通行料を取られない
- 同盟者の領地には攻め込めない
- 同盟者の領地も連鎖、支援効果、領地ボーナスの対象に含まれる
- 同盟者の領地でも、領地コマンド(レベルアップやクリーチャー交換など)ができる
(上記の他にも、細かい特殊ルールや例外があります)
最初の2つ、総魔力の合算と通行料を取られない件は、以前の同盟と同じですね。
違うのはその次から。
同盟者の領地を、ほぼ自分の領地と同じく扱うようになりました。
連鎖するのは以前同様ですが、支援効果や領地ボーナスの対象にも含まれるようになっています。
領地ボーナスは、個人プレイのおよそ倍になりますので、領地獲得はより重要になりますね。
また、同盟者同士の戦闘は行えなくなりました。
これはある意味、自由度が一つ減るとも言えますが…
初心者が間違って攻め込んでしまったりなどのミスは防げますし、味方同士の戦闘は(これはこれで面白くもありますが)ややチート的なニオイもあって、真剣勝負的には邪魔な面もありました。
それらを解消できるというメリットも大きいのです。
さらに、これが一番目玉なのですが…
同盟者の領地でも領地コマンドが使用できるようになりました。
つまり、同盟者の領地をレベルアップしたり、クリーチャーを交換したりできるのです。
これは画期的です。
AIとの同盟の変化
ゲームを始めると、まずはストーリーモードでこの同盟戦を体験することになるでしょう。
ストーリーモードではAIとの同盟戦を行いますが、以前に比べかなりプレイ感は変わります。
例えば以前は、AIが弱いクリーチャーの領地を平気でレベルアップしてしまっても、指をくわえて見ているしかできませんでした。
しかし、新同盟ルールであれば、自分の手でもっと頼れるクリーチャーと交換してしまえます。
回収したクリーチャーは、自分の手札として後々再利用もできるので、二重にお得です。
もっとも、逆にAIが「余計なお世話」をしてくることもありますが…。
例えば、領地能力を使おうと思って、ただ置きしたクリーチャーを、AIが気を利かせて属性の合う物と交換してしまうとか…。
(まあ、所詮AIですので、温かい目で見てやってください…。)
プレイヤーとの同盟の変化
そして、この新同盟ルールは、気の合った人間プレイヤー同士のプレイで、その力を最大限に発揮します。
例えば、先の手番の人がクリーチャーを配置し、次の手番の同盟者が、その領地を通過しつつレベルアップ!
先の手番の人がクリーチャーを配置し、次の手番の同盟者がクリーチャー移動して、欲しい土地を獲得!
先の手番の人がクリーチャーを配置し、次の手番の同盟者が領地能力を起動!
…などなど
同盟者同士が連携することで、プレイの展開速度が飛躍的にアップするのです。
さらに、同盟者同士が事前に戦略を練り、ブックも作戦に特化させれば、個人プレイではあり得ないような超絶連係プレイも可能ではないでしょうか。
この同盟ルールは、初心者と熟練者との同盟プレイでも有効です。
熟練者は、より初心者のフォローをしやすくなりました。
初心者は熟練者に身をゆだね、自分のペースでプレイしてください。熟練者が、適切にクリーチャーを交換したり、レベルアップを行う事でそれをフォローしてくれます。
これこそ、接待…もとい友情プレイですね! レベル差のあるプレイヤー同士の同盟戦も、より楽しくなるでしょう。
(ある意味、熟練者の責務が増えるとも言えますが…でも、以前のように、手出ししたくてもできずにイライラするよりは、精神衛生的には良いんじゃないですかね・笑)
新同盟ルールは、以上のような感じです。
今回のカルドセプトで、ぜひ新しい同盟戦を味わってみてください。