2017/07/20
配信からは、もうしばらく経過してしまいましたが…
国王杯でも意外な人気を見せた、このカードについて書いてみたいと思います。
[ パワークラウン ]
ダウンロードカード第2弾です。まだ持っていない人は、インターネットに接続してダウンロードしよう!
第1弾のミスティック[*1]と違い、パワークラウンは発売後に能力が決められたカードです。
ダウンロードカードには、著しくバランスを壊すカードや戦法が発覚した場合の、対策としての役割もあります。
しかし今回、パワークラウンの能力決めの時点では、対策必須というほどの問題は発覚しませんでした。
必須ではないなら、せっかくなので面白い物を。
使用頻度ランキング上位のカードへの対策も視野に入れつつも、実用重視というよりは、やや変わった感じのアイテムにしてみたいと考えました。
[ 能力確定の経緯 ]
まずは、
「アイテム破壊と盗みの効果を受けない」
の能力について。
これは、単純。
グレムリンアムル[*2]はアイテム全般にとって最大の脅威であり、使用頻度も常に高いカードです。
ですので、スペシャルなアイテムカードに、この対策能力を付加するのは、もはや決まり型と言っても良いですね。
次に、防御的能力、
「HP+(対戦相手のST)」。
当時から、コロッサス[*3]は良く使われていました。
コロッサスに対抗するだけなら、単純に無効化や反射を使う手はありますが、今回、テーマの一つとして無効化・反射を弱体化したい、というのがあったので、それは無しの方向で。
ということで、HP増加の体裁で、コロッサスに対抗できる能力として、このようなものにしてみました。
武器を使えないコロッサスの攻撃は、この能力によって完全に防御できます。
(コロッサスでも、応援を使ったり、アイテムクリーチャーを使うことでSTを増やせますが…その程度は問題なく防げるでしょう。)
雪辱は効きませんし、ニンジャ[*4]がフュージョン[*5]を使用してきた場合でも、使用者のHPが40あれば耐えられます。
不安定ではあるが、そこそこの用途も見込めますし、ちょっと変わっていて面白いと思いました。
ただ、この能力は、アイテムによるST増加や、後からSTが増える能力には効果ありません。コロッサスに次ぐ人気のシェイドフォーク[*6]に効果が無いのは、やや中途半端感も。
それに、コロッサスの場合、しばしば移動侵略による連続攻撃をしてきます。
防戦一方では、完全な対策にはならないという話もありますが…。
(ガセアスフォーム[*7]と違い、STが0にならないので、コロッサスにダメージを与えることは可能。)
[ 変更された雪辱能力 ]
最後に、「雪辱」能力について。
今作での新能力ですし、もう少しこの能力を使ってもらいたいという気持ちから、パワークラウンには雪辱を持たせたいと考えました。
しかも、HP増加能力もあるので、カウンターシールド[*8]の反射にも耐え、雪辱との相性も良い。
ちょっと面白い方向性が見えてきました。
肝心なのは、雪辱によって発動する効果の内容です。
実用で考えるなら、即死やHP減少でしょう。
しかし、同じ能力は既にイクストル[*9]やライフスティーラー[*10]などで存在しています。
(しかも、このあたりは、現在でもそこそこ使用頻度が高い)
同じようなカードが増えても、ちょっと面白くありません。
そこで考えたのが、これ。
雪辱[相手を”バルダンダース[*11]“に変身させる]
雪辱で変身させる能力というのは、今までありませんでした。これはちょっと面白い。
変身したら嫌なものは色々ありますが、単に弱いだけでなく、面白いものが良い。
いくつかの候補の中から私が選んだのが、バルダンダースでした。
主要な拠点を守らせるには、HP30しかないバルダンダースは不安で、相手にとってはプレッシャーとなります。
しかも、バルダンダースは戦闘でさらに変身します。この予測不能の能力が、時に思わぬ効果をもたらしたりして面白そう、とも思いました。
ただ、変身先としては、もっと良いものもあるかもしれない…とも考えていました。
そこで、チューニングチームに意見を聞いてみることに。
その際に浮上してきたのは、グレートフォシル[*12]でした。
その意見によると…
バルダンダースに変身させることは、相手にはプレッシャーを与えるものの、使う側にとってあまりメリットがありません。
後々この領地に再度侵略を仕掛け、奪うことができれば使った甲斐もありますが、それまでにクリーチャー交換されたり、他のプレイヤーに奪われてしまう可能性も高いです。
しかし、グレートフォシルなら、少なくとも使用プレイヤーにとって「通行料を免れる」というメリットが出てきます。
確かに、高額領地を踏んでしまった際、通行料を免れられるなら、領地を奪えなかったとしても使う価値はあります。
実は、グレートフォシルも、こちらで考えた際の候補にはあったのです。
しかし、グレートフォシルは戦闘で対処しにくいクリーチャーです。変身しても相手にあまりデメリットにならないのではないかと考え、採用はしませんでした。
しかし、チューニングチームとしては、「むしろそれが良い」とのこと。
対処しにくいということは、他のプレイヤーには簡単に奪いにくいということにもなります。
一方で、使用者はバニシングレイ[*13]なり、クレリック[*14]なり、グレートフォシルや変身後のティラノサウルス[*15]に対処するためのカードをブックに仕込んでおけば、その領地を奪取できる可能性が高まります。
確かに、これはなかなか論理的。
ということで、雪辱能力は、現在の「グレートフォシルに変身する」へと変わり、これで確定となったのでした。
[ パワークラウンの反響 ]
さて、パワークラウンは世のセプターの方々にどう受け止められるのか。
楽しみではありました。
もっとも、パワークラウンは、得体のしれないニオイが話題づくりに貢献するとは思うものの、実用度に関してはそれほど高くは無く、大会レベルの対戦ではあまり使われないだろう、と推測していました。
しかし、実際の使用頻度は…予想を裏切るほどの高さだったのです。
それは、配信直後のカルドセプトスペシャルサイトの人気カードランキングのアイテムカテゴリで、10位以内にランクインするほど。
それでも最初の頃は、実験的に使ってみようとした方が多かったためと思っていましたが…その後、国王杯に至ってもその人気を保ち続けているじゃないですか。
これはちょっと予想外。思っていたよりも実用性が高かったようですね。
(あくまで、アイテムカテゴリでの順位ですけどね。でも、ランク外のアイテムの数を思えば、凄い人気と言えます。)
ともあれ、そこそこの人気カードになり、結果的には良かったです!
(当初の思惑からは変わってしまっている気もしますが…)
(注釈)
- ミスティック:ST40/HP30の無属性クリーチャー。MHPを上げる領地能力と、MHPの高いクリーチャーを即死させる能力を持つ。ダウンロードカード。
- グレムリンアムル:対戦相手のアイテムを破壊する道具アイテム。
- コロッサス:ST70/HP70の無属性クリーチャー。アイテムが一切使えない、周回回復できないなどのデメリットはあるが、そんなことは一切関係ない人気を誇る。
- ニンジャ:ST40/HP40の無属性クリーチャー。先制と巻物強打を持つ。
- フュージョン:ST50の巻物攻撃を行う、巻物アイテム。
- シェイドフォーク:ST10/HP40の無属性クリーチャー。汎用性の高いST上昇能力と、雪辱の能力を持つ。
- ガセアスフォーム:ST=0、通常攻撃をすべて無効化する道具アイテム。
- カウンターシールド:ST=0、通常攻撃をすべて反射する防具アイテム。
- イクストル:ST50/HP20の火属性クリーチャー。即死を発動する雪辱能力を持つ。
- ライフスティーラー:ST+40、対戦相手のMHP-30する雪辱能力を持つ武器アイテム
- バルダンダース:ST0/HP30の無属性クリーチャー。ランダムな別のクリーチャーに変身する。ネタカードと考えていたが、昨今ではそのコストの安さと予測できない所からか、真剣勝負でも使われるようになってます。
- グレートフォシル:ST0/HP30の無属性クリーチャー。戦闘で倒されるとティラノサウルスに変身する。
- バニシングレイ:対象の無属性クリーチャーを破壊するスペル。
- クレリック:ST10/HP30の無属性クリーチャー。無属性クリーチャーを破壊する「即死」能力を持つ。
- ティラノサウルス:ST50/HP60の無属性クリーチャー。特殊な能力は無いが、基本値が強力。