2017/07/20
先日、ファミ通CUPでもお世話になった、あらじ谷塚さんとお話する機会を得ました。
あらじさん、今や「ファミ通PS編集部」の編集長なんですよね!
PSとは直接関係ない、カルドセプトDSの件でお時間いただくのも、ちょっと気が引けないこともなかったですが…
あらじさんは、快諾してくださり、大会の感想戦から、DS版での流行の戦術、上達のコツまでを、熟練セプターの視点から、熱っぽく語ってくださいました。
あたりまえかもしれませんが、熟練セプターの見解には、通じるものがありますね。先日のかむいまるさんや、ネットなどでの熟練者の見解とも近いものがありました。
カルドセプトにおける、上達するための「定石」の存在を確信しました。
なんだかんだで、4時間近くもカルドのネタで盛り上がることができました。面白かったです。
お話は、今回の記事を書く上でも参考にさせていただきました。今後の開発にも役立てていこうと思います。
あらじさん、どうもありがとうございました。
ますます忙しい身になられたとは思いますが、これからもカルドセプトをよろしくお願いします~!
外れた「予言」
前回(「環境」を振り返って・1)は、開発側の意図どおりになったことを主に書きました。(前回の記事でも、地属性の流行はまったく意図どおりではないですが…)
しかし、実際には予測が外れたり、意見が分かれたりした部分もありました。今回はその外れた部分について書いてみます。
地形変化スペルの弱体化
この調整に関しては、変更したのが開発終盤だった経緯もあって、開発の一部にはかなりリスキーだと考えられていました。
実際には、弱体化されてもなお地形変化スペルの人気は失せませんでしたし、大きなバランスの破綻も無く導入できたのではないかと思います。
好みはあると思いますが、「ランドプロテクト」が使われなくなったことや、地変による土壇場の安易な逆転が無くなったことも、個人的には良い傾向だと考えています。
一点問題があったとすれば、「ランドトランス」と「天然ラントラ」とも呼ばれる戦術の重要度を高める一因になってしまったことでしょうか。高レベル領地を奪っても、地変スペルで属性を変えられないとなると、「売却」してしまった方が得ですからね。
(ラントラが流行った理由はそれだけではないですけど…。ちなみに、ラントラ戦法、私は嫌いではないです。テクニック!って感じがしますね。あとは、あまり安易には出来ないようバランス調整するのが、今後の課題ですね。)
新カード
DS新カードでは「パイロマンサー」の人気は予測できましたが、あとはあまり当たりませんでしたね。
クリーチャーの中では、「マイコロン」のバランスを少し危惧していました。HPがグーバやパウダーイーターに比べても大きく、一旦増え始めると、止めるのが難しいのではないか、と。
実際にはそれほどでは無かったですね。世を席巻するには至りませんでした。
それでも、大会ブックに入れている人もいましたので、単なる面白キャラ以上の力はあったのだとは思います。同盟戦での強さは言わずもがなですね。
私が内心恐れていたのが「リフォーム」の横行。
これの撃ち合いが流行すると、手札がマナばかりになり、ゲーム自体が破壊されてしまいます。
結果的には、コストを高めに設定したおかげか乱用はされず、ゲームを破壊することもありませんでした。
さりとて、全く使われないという事も無く、いい按配だったように思います。大会でも、ここぞという時には使われていましたね。
逆に、予想に反して人気が出たのが、「バロン」。
開発終盤に地変スペルの弱体化が行われた影響で、有用性がかなり薄れ、もはや人気は出まいと誰もが思っていました。
しかし、実際は大会レベルの人気クリーチャーに。ちょっとびっくりです。
レベル3以下の領地への地変は防げますし、「メテオ」や「ローカスト」も大会では少数ながら使われていたので、結果的には有用だったということです。しかし、これは予測できませんでした。
もっとも、発売直後から人気だったというわけではないので、「バロン」の有用性は徐々に(淘汰的に)認識されていったのではないかとも思います。
旧カード
「サンドマン」は、テストチームからかなり危機感を持たれていました。ここまでスペルに強いクリーチャーは今まで存在せず、排除が困難すぎるのではないかという危惧でした。私自身も若干の心配も含みつつ、この変更は強行させてもらいました。
実際には、そこそこの使われ方はしたものの、流行るというほどには至りませんでした。そもそも、焼殺スペル自体を見かけない環境となってしまいましたから、流行らなかったのもうなずけますね。この環境自体があまり予測できていなかったということなのでした…。
「スワップスペル」は、私一人だけが危機感を持っていたものです。考えられるケースとして、自分の手札が「スワップ」のみという状況で、相手の6枚の手札と交換することができ、強力な手札破壊/ドロースペルになります。
当時、何度も「大丈夫なんですか?」とテストチームに打診しました。しかし、その度にテストチームからは「大丈夫です」と冷静な返事が来るのみでした。
実際、それほど流行りもせず、凶悪な使われ方もしませんでしたね。単なる私の杞憂でした。
大会にも使われていましたので、使えるスペルだとは思いますが、リフォーム同様ピンポイントでの活躍に留まった感じです。
コストの高さが乱用に歯止めをかけていたのかもしれません。
今回、即死系がかなり注目されました。確率の変更や対象属性の追加によって評価が上がったのだと思います。(関連:新たな力を授けよう)
「バジリスク」「クレリック」など、既に話題に上ったようなものもありますが、注目株は「ジオファーグ」ですね。
PS版までそれほど注目されなかったカードでしたので、今回、ちょっとパワーアップをしてみたのですが、ここまでの人気は予想外でした。
HPの大きさと、今回流行した地属性を即死させる能力が相まって、人気が出たようです。
地属性→ジオファーグ→ディーダムという流行の相関図が描けるところも面白いですね。
しかし、一番予測できなかったのは…
やや繰り返しになりますが、一番予測できなかったのは、今回のプレイスタイルですね。
- 他人にあまり干渉せず、自分の「シナリオ」を完成させることを重視する
- 高速周回や魔力獲得を重視し、結果、ゲーム展開が予想以上の高速化
- 他人への干渉はスペルよりも戦闘で。しかし、アイテムにはあまり頼らない
- 土地獲得やレベルアップは重視するが、通行料はそれほど当てにしない
言い尽くせていない感もありますが、私の感触ではこんな感じです。
開発側でコントロールした部分もありますが、大方は自然発生的なもので、予測はできませんでした。
開発者が全てをコントロールし切れている…などとは口が裂けてもいえませんね。
だからこそ、カルドセプトの発売後の環境動向は、開発側にとっても毎回楽しみ(冷や冷や)なのです。
さて、次はどうなるのかなあ~。これまた楽しみですね。