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オンライン対戦イベント

こんにちは、「カレーセプト レトルト」……もとい「カルドセプト リボルト」デザイナーズノートです(笑)。

去る5/21、「スタートダッシュVer.」によるオンライン対戦イベントが催されました。多くのセプターさんのご参加、ありがとうございました。楽しんでいただけたなら幸いです。

併せて、ニコニコ生放送で公開生対戦番組が放送されました。

いやあ、面白かったですね!!
生放送ってことで、どうなるものかちょっとドキドキしていたのですが……。
MCのあらじ谷塚さん(カルドセプトではおなじみの!)と、かじゅにゃんさん(可愛かったです……)のコンビのかけあいが面白くて、あっという間の2時間という感じでした。

試合展開も良かったですよね。
1試合目、終盤の逆転劇……あれは、決して運じゃないですよ。周到な準備があってこその展開です。見事です。
2試合目のかじゅにゃんさんのプレイも微笑ましかったです。あれだけ実力差があっても、ちゃんと拠点になる高額領地を作れたりして、意外にコテンパンになったりしないでしょう? これがカルドセプトなのです。

大盛り上がりの先週でしたが、今週末からは前作「カルドセプト」のラストランキングも開催されます。こちらの方も、よろしければぜひ、ご参加ください。(リボルトに慣れてしまうと、また頭の切り替えが必要ですが……それもまた楽しいかも?)

それでは本題。
今回は、新ルールの話題です。「スタートダッシュVer.」ですでに体験済みの方も、おつきあいください。

新ルール

カルドセプト リボルトでは、かつてないほどのルール・システムの変更が行われています。
今作は完全新作……ということで、これまでに温めていたアイデアを、この時とばかりに大胆に投入してみました。
Revolt(反抗)には物語的な意味合いだけでなく、「既存ルールへの反抗」の意味もあるのですよ!
今回は、その新ルールの一部を、デザイン意図なども交えて紹介します。

2個ダイス

今作では、通常でダイスを2個振るようになりました。今までのカルドセプトシリーズに慣れ親しんでいて、予備知識なしに「スタートダッシュVer.」をプレイした方は、ステージ1からいきなり驚いたんじゃないでしょうか?

2個ダイス

2個ダイスのメリットは、2つあります。

1.平均的に大きな目が出るようになり、展開がスピーディになる。

カルドセプトでは、シリーズを通して高速移動系スペルに人気があります。前作でもホーリーワード8が人気カードでした。
ゲーム的に有利という部分もありますが、それ以前に、ちまちま移動するより一気にバーッと進める方が気持ち良い、というのもありますよね。
だったらいっそ、通常からもっと早く移動できて良いのではないか……?

早く周回できれば、周回ボーナスを早く得られ、領地コマンドを使える機会も増えます。ゲーム展開も速くなるハズ。
ゲーム展開のスピードアップは「リボルト」の目標のひとつでもあるので採用されました。

これによって、ブックに必須だった高速移動系スペルの需要が少し減るだろうと考えています。使用カードを多様化させる意図もあります。

2.ダイス出目合計の確率に偏りが生まれ、戦略性が増す。

大きな目を出すだけなら、ダイスの最大目を増やすという方法もあります。ダイスを2つにしたのには別の意味もあるのです。
今までのダイスでは、全ての目の出る確率は同じでした。つまり、次に何歩進めるかは均等に同じ確率だということです。

一方、ダイスを2個振って合計値を歩数とする場合、その歩数には偏りが出ます。「リボルト」のダイスでは1や10が出にくく、5や6が出やすくなります。
つまり、次の移動で止まりやすい土地、止まりにくい土地がある程度予想できるようになり、戦略性が増すわけです。

もうひとつ、単純に1や2などの小さい目が出にくいのは、ストレス軽減になりますね。以前はよく「1ばっかり3回も出続けてるよ~」みたいなことがありましたが、今回はそれがかなり減るはずです。

もっとも、確率ということには変わりないので、出にくいはずの1や2がたて続けに出ることもあります。そうなると、余計運が悪く感じてしまったりもしますが……。

なぜ「リボルト」のダイスは0~5なのか。

リボルトのダイスは6面体ですが、出る目は1~6ではなく、1~5と単体で0と扱う「マーク」です。

平均的に高速移動できるということは、敵領地に止まりにくいということでもあります。(カルドセプトのマップには分岐もあるので、多く移動できるほど避けやすくなる)
通行料のやり取りが少な過ぎるのもあまり面白くないですよね。そこで、少しだけダイス目を減らしてみました。

もうひとつ。カルドセプトの醍醐味に「1歩先にある高額領地にドキドキする」というのがありますよね。ダイスが2個になっても、このドキドキ感は残したかったのです。止まる確率は低いですが「確率0ではない」と思うと、やはりドキドキできますね。

この変則ダイスによって、「0・0」の目が存在することになりました。
普通に考えればこれは「0歩」になるわけですが……。
ダイスを振っても移動できないのは悲し過ぎます。進めないだけでなく、同じ高額領地を2回連続で踏む可能性もありますからね。
ですので、この時は逆に最大の「12」の歩数となる仕様にしました。
[※1]

一転して「0・0(マークぞろ目)」はラッキー!な目になりました。

いつでも領地コマンド

これが、今作最大のルール変更点でしょう。

旧作では「そのターンで通過した自領地だけに領地コマンドを使える」ルールでした。
今作では「通過に関係なくどの領地にも領地コマンドを使える」ルールが採用されました。
(ただし、召喚直後やコマンド使用後は、クリーチャーが「ダウン」するので、繰り返し何度でもコマンドが使えるわけではありません)

いつでも領地コマンド

こちらも、メリットは大きく2つあります。

1.思ったとおりにプレイしやすくなる

旧作のルールでは、しばしば「やりたいことができない」状況が起こりました。

「次の周回で領地をレベルアップするつもりが、その前に奪われてしまった」
「同時に複数の自領地を通過すると、そのうち1つしかレベルアップできず、残りは次の周回までお預け」

ゲームの楽しみとして、最終的な勝敗も大切ですが、ゲーム中にどれだけ思ったとおりのプレイをできるか、も重要です。
[※2]

新ルールでは、重要な領地に優先してコマンドを使えますし、隣接した自領地にも次々とコマンド使用できるので、思い通りの戦略をとりやすくなりました。「思ったことができない」というストレスは軽減したと思います。

2.無駄なターンが減り、ゲーム展開が加速

旧ルールでは、やることがなく終えるターンが頻繁にありましたが、新ルールでは、ほぼ毎ターン領地コマンドを使えるので、たいてい何らかの行動は取れるようになり、無駄なターンが減りました。

新ルールによりゲームの展開が速くなり、目標魔力に達するまでのラウンド数が少なくなりました。対戦時間も、平均的に短くなっているはずです。
[※3]

このルール改訂で、今までとは戦略が大幅に変わります。

まず、移動侵略の脅威が増しました。
いつでも領地コマンドが使えるので、敵がアイテムを失った直後にタイミングよく侵略を仕掛けることが可能になります。自領地の隣には、常に目を光らせておきたいです。防御アイテムや、シャッターなどアイテム破壊スペルの重要度も上がると思います。

さらに、旧作で「天然ラントラ」と呼ばれたテクニックがありましたが、
今作ではこれが、敵の高レベル領地に止まって通行料を支払うしかない場合の定石になると考えています
「天然ラントラ」とは、簡単に言うと「敵の高額領地を踏んだ時、魔力不足になるまで領地を大幅にレベルアップし、それを売却する(売却益は、別の土地レベルアップに当てる)」という技です。

旧ルールでは、領地コマンドのタイミングが難しく上級者向けの技でしたが、新ルールでは比較的行いやすくなり、誰でも手軽に使えるテクニックになったと思います。
このテクニックの方法は「電子取扱説明書」のQ&Aにも記載しています。説明書内の下記項目名をご覧ください。
「敵の高レベル領地に止まり、通行料を支払うしかない場合、どうしたら良いですか?」
新しい領地コマンドルールにより、運要素は減少し、広い視野で考えることが求められるようになりました。より「慣れるほど強い」ルールになったといえます。

初心者と上級者の差が広がることにもなりそうですが、新ルール下では誰もが初心者といえますし、新ルールは初心者にも分かりやすいので、今から始めれば全員が同じスタートラインに立って遊べるだろう……と思っています。

(2016.5.25 神宮)

  1. 実は、初期段階では遠慮がちに「10」にしてました。しかし、テストチームの「これでは、ありがたみが少ない!」という意見により「12」に修正しました。確かに、こちらの方がダイナミックで面白くなりましたね。
  2. 私はボードゲーム(非デジタル)も好きでよく遊ぶのですが、下手なのであまり勝てません……。それでも、ゲーム中に何か思い通りの作戦を成功させられれば、最終的に勝てなくても満足できてしまいます。……そんなの、私だけかな?
  3. 1ターン内の密度が濃くなったので、各ターンでの思考時間はちょっと長くなるかもしれません……。ネット対戦では制限時間があるので、あまり長考はできず、すばやい判断が求められますね。

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様々なパブリッシャーを渡り歩く、流浪のソフトハウス。

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