2017/07/20
前回に引き続き、新ルールの話題です。
ゲート
旧作で「城」と「砦」の2つだった施設を、ひとつに統合したのが「ゲート」です。
目的のひとつは、ルールのシンプル化です。
周回ルールが「全ての砦を回って城に戻る」から「全てのゲートを回る」に変わったことで、施設の種類が1つ減り、説明が簡単になりました。
ゲーム性にも、変化する部分があります。
マップによっては、ルートの選び方で周回ボーナスをもらうゲートが変わります。
(例:「スタートダッシュver.」に収録されている「ツインリング」)
相手の裏をかく、など戦略にも応用でき、ゲームの幅もちょっと広がったと思います。
また今作では、目標魔力達成後、どのゲートにたどり着いても勝利となります。
目標達成から勝利までの時間が短くなったので、プレイ時間の短縮にもなります。
逆転の機会が減ったことを不満に思う方もいるかもしれませんが……最終段階で泥沼化するよりは、さっさと決着して次の試合へ……という方が、ストレスが無いだろうと判断しました。
ついでに、細かいことですが……
以前から、マップ上に「城」や「砦」が存在することが、ちょっと気になっていたんですよね……。前作のカルドセプトには「マルセスブルク」というお城のマップがあったのですが、そのマップ上に、さらに「城」があるとか、説明的にもややこしくて。
その意味では「ゲート(門)」だって屋内にあったら変ですけど、まだ許容範囲かな……と。
もっとも、こんなこと誰も気にしてなかったかもしれませんけど。
敵手札の表示
カルドセプトでは、もともと手札は公開されているもので、秘密情報ではありません。[※1]
しかし、自分のターンに対戦相手の手札を確認できなかったし、相手になるべく手札を見せないように操作することも可能でした。手札が公開なのか秘密なのかが、中途半端な状態だったのです。それが心地悪くて、どうにかしたいと考えていました。
新ルールでは敵の手札をいつでも見られるようにして、公開情報であるということを明確にしました。
手札常時の公開メリットとしては
- 相手の手札に何のカードがあるか記憶する必要がなくなり、プレイしやすくなる。
- プレイ中に操作で隠す意味が無くなり、余計な気遣いをしなくて済む。
- 非公開にするよりもゲームバランスやカードに与えるインパクトが少ない。(例:非公開では、シャッターなど敵の手札を見る効果が大幅に強くなる)
逆に、常時公開には「手番に敵の手札をいちいち確認しているとプレイ時間が延びる」という、スピーディー化と逆行する懸念もあったのですが……メリットと天秤にかけ、常時公開が採用となりました。[※2]
ディスカードタイミングの変更
スピーディー化の施策の1つです。
旧ルールでは、ターン最初のドローフェイズで手札が7枚以上になったら、その時点で捨てるカードを選ぶ必要がありました。
これから先のことを考えて捨てるカードを選ぶのは、けっこう悩ましいんですよね。ここでかかる時間はトータルで結構な長さになっていたと思います。
また旧ルールでは、スペルや能力でカードを引いた際など、ターン中の様々な箇所でディスカードを要求されることがありました。
引いてくる一枚一枚で取捨を判断しなければならず、これまた悩ましかったものです。
(ホープで2枚引いた時、捨てた1枚目のカードより2枚目の方がショボかった時のガッカリ感……)
新ルールでは、ターンの終了時に捨てるカードを選択するようになりました。
ひととおりの行動を終えた後で捨てるカードを選ぶ方が、悩む時間が少なくて済むように思います。
また、最後にまとめてディスカードを行えるので、その中での優先順位を検討して捨てられるようになりました。
さらに、ターン中に持てるカード数が増えたので、戦略の幅が広がることにもなります。
他のカードゲームでも、ターン終了時のディスカードが一般的ですし、やはりこの方が良いと思います。[※3]
今作にはまだまだ新ルール、新システムがありますが、今回はこの辺で……。
- カルドセプトは、もともと据え置きハードで複数人で1画面を共有して対戦するゲームだったため、手札公開の前提でルールが設計されていたのです。はじめからニンテンドー3DSのような1人1台かつ2画面のハードで設計されていたら、手札は見えないルールになっていたかもしれません。
- 実は、私的には「中途半端」が嫌だっただけで、公開/非公開のどちらのシステムでもゲームとして成立させられると考えていました。
ただ、やはりゲームバランスやカードに与えるインパクトが心配で、公開の方に舵を切りました。
もうひとつ、非公開にした場合「AIが戦闘のアイテム使用でズルしていると思われそう」という懸念もありましたね……。 - なぜ最初からそうしなかったかというと……これも据え置きハード(1画面)で対戦する仕様の名残です。当時は対戦相手に戦闘中のアイテム選択を悟られないよう、手札カードを6個のボタンに割り振っていました(カーソル移動で選択する操作では、相手にバレてしまう)。それで、カードを常に6枚以内にする必要があったのです。