2017/07/20
去る2001年3月4日、カルドセプトは久々のイベントで盛り上がった。その日、カルドセプトII
の製作発表会とカルドセプトEX-PLUS発売記念の公式大会が行われたのだ。
実は私、うかつにも3日前くらいまで製作発表の内容を知らず、その日は公式大会の観覧に行けばいいだけだと思っていたのだった。しかも、なんかセリフまであるじゃん!で、当日。適当にアドリブ加えて下さいとか言われたので、考えながらしゃべってたら、案の定トチった。アドリブ弱い~。しかも、しゃべるの苦手~。だったらプログラマーHig氏のように徹底して雑誌などには出ない!と言えればいいのだが、たまには出たいという中途半端な見栄もあったりして…。いや、きっと記者のみなさんには私の素朴で飾らない人柄を分かってもらえたことだろう…。
私的にはこの日のメインは大会の観覧だった。発表会があったために準決勝の途中からしか見られなかったが、見所はけっこう多かった。
今回はあらかじめマップを配布しての決勝大会だったので、みなさん事前によく研究していたようである。私もマップ作成の際にはある程度有効なブックの傾向と戦法を予測しているのだが、今回はちょっと予想が外れてしまった。
新マップを配布しての大会というのは、ある意味、自然淘汰シミュレーションのようなものだと思う。こちらの提供したマップ(環境)に対し、多くのセプターたちが、最も適応したブックと戦略を発見すべく試行錯誤を繰り返す。そして、淘汰の末生まれてくるのが最強のブックと戦略というわけだ。そして、それは生物の習性や形態のように、実際に淘汰に参加したものだけが導き出せる回答なのだろう。数回CPU戦をしただけの私などに予想できないのは当然なのかもしれない。
ブックや戦略もそうだが、今回の大会を見て痛感したのは「セプターたちは、もう我々(大宮ソフト)の手の届かない域に達している…」ということだ。今までの大会では、まだ試合展開に何とかついていけたのだが、今回、会場の一体感から取り残されたシチュエーションが1~2度あったのだ。よく覚えているのが、ウィルオーウィスプの隣に置かれたスチームギアに、ウィークネスがかけられた時。会場は歓声に包まれたが、大宮サイドはその意味をすぐには理解できなかった。実際は、それによってウィスプで攻めて魔力をむしり取れるようにした…という、文字にしてしまうと単純なことなのだが、実際に試合を見ていて、瞬間的にそのセプターの意図を汲み取るのは難しいと思う。しかも、会場の大半がそれに気付いたのだ。凄いよ、本当に。
もう一つ驚いたことがある。決勝戦に残った4人のうち、実は3人までが同じサークルのメンバーで、同じようなブックを使用していたのだそうだ。これは、カルドが単なる「運ゲー」でないことを証明してくれている。前回優勝者の「マサ・オサダ」氏も準決勝に残っていたし、やはり強いブックと戦略が勝利を導くのだ。
最後はいつもの「カルド…最高―っ!」ってやつでしめられたのだが、いつもちゃんと付き合ってくれるみなさんに「ありがとう」。そして今回優勝した「ひげぶちょー」さん、おめでとうございました。
今回の発表会&大会の様子は、かねこ先生(いい人って感じだったでしょ?)がマガジンZで漫画化してくださるそうなので、お楽しみに!